図鑑アカン!読書感想文や朝読書のための虫好き子供におすすめの昆虫本7選

参考書の部屋

子供向けの昆虫本というと図鑑が中心になっていませんか??

図鑑以外で虫好きの子供に読ませる本ってないかしら?

昆虫好きの小中学生に、朝読書や読書感想文にも読める本を揃えてみました。

選んだポイントは・・・

  • 昆虫関連でありながら図鑑じゃないこと。
  • 平易な文章もしくは一章節が短いこと。
  • 漫画や絵が少なく、朝読書に持っていってもOKなもの。
  • 読書感想文の課題本にすると知的に見えるもの!

どれも我が子が小学生から中学生までの間に夢中になって読んできた本たちです。

昆虫好きが高じて本好きになること請け合いです!!

記事末に、私が思う「虫好き子供が本好きになるための昆虫本の選び方」を書きました。

興味が湧いたら最後までどうぞ。

昆虫の知識が詰まったトリビア本『昆虫はすごい』

  • 著者 丸山宗利
  • レーベル 光文社新書
  • 出版社 光文社
  • 発売日 2014年8月7日
  • 定価 780円(税別)

なんてシンプルなタイトル!

しかし、このタイトルどおりの本であること間違いなしです。

読みはじめて最初に驚かされることは、『昆虫はすごい』のまえがきにあります。

~ヒトが文化的な行動として行っていることや、文明によって生じた主要なことは、たいてい昆虫が先にやっているという事実~

『昆虫はすごい』引用

さらに、目次には、

見るだけで、昆虫の行動とは思えない内容が並んでいませんか?

しかも、その行動はただの偶然ではなく、昆虫の意思が存在しているとしか思えないのです。

昨今では、アリやハチなどが社会性のある生活を送っていることは知られています。

でも、もっと多くの昆虫に、ヒトと同じ社会生活があることに納得せざるを得ないのです。

なんなら、今自分が悩んでいることは、すでに昆虫たちが悩んできたことであり、すでに解決法さえ教えられます。

まさに”昆虫はすごい!″と、読書中に何度もつぶやいてしまうのです。

著者である丸山宗利先生は、特にアリと共生する昆虫の研究者として知られています。

昆虫の特性を組み込んだ人間が活躍する漫画「テラフォーマーズ」の監修にも関わっており、昆虫研究の第一人者としてよく知られています。

『昆虫はすごい』を読んだあとには、昆虫たちの見え方が変わります。

″一寸の虫にも五分の魂″ということわざなんて、まったくの的外れ。

ばかにされているのは、人間社会の方かもしれませんね。

昆虫好きがとことん昆虫について話尽くす『昆虫はもっとすごい』

  • 著者 丸山宗利 養老孟司 中瀬悠太
  • レーベル 光文社新書
  • 出版社 光文社
  • 発売日 2015年8月18日
  • 定価 1,000円(税別)

昆虫本としては異例の注目を浴びた『昆虫はすごい』の続編として発売された『昆虫はもっとすごい』

続編としながらも、対談形式になっているため、『昆虫はすごい』とは違ったエッセンスで読み進めることができます。

対談者のひとりはもちろん『昆虫はすごい』の著者である丸山宗利先生。

そして、ベストセラー『バカの壁』の著者であり、医学者でありながら、無類の昆虫収集家・養老孟司氏。

さらに、寄生性昆虫の研究が専門の中瀬悠太先生と、いずれも昆虫好きの3人による、昆虫括りの井戸端会議が繰り広げられます。

対談形式の本は、会話者と文章を意識しながら読むために、私にとっては読みにくく苦手です。

しかし、『昆虫はもっとすごい』は、本当に昆虫が好きな人が集まって、好きなことを話しているので(一応はテーマに沿ってはいますが)、″昆虫が好きでたまらない!″という気持ちがよく伝わってきます。

その一方で、「昆虫好きの人間」を客観的に見ている場面もあって、自分にも共感できるところがあるのです。

「自分の好きな昆虫は詳しいが、その他の昆虫はあまり知らない」

この話の箇所では、思わず″ウンウン″とうなずいてしまいました。

『昆虫はもっとすごい』の中で語られる話題は、昆虫のみではなく、昆虫を取り巻く環境にもフォーカスしています。

広い視点で昆虫研究というものを知る上でも、とても参考になりましたね。

基本的には座談会なので、昆虫好きほど面白く読めますが、自分の好きな昆虫分野だけではなく、広く深い探求心が必要であることもわかる良書だと思います。

昆虫採集で世界を旅する『昆虫こわい』

  • 著者 丸山宗利
  • レーベル 幻冬舎新書
  • 出版社 幻冬舎
  • 発売日 2017年7月
  • 定価 1,000円(税別)

昆虫採集旅行記。

『昆虫こわい』という本は、この一言につきます。

『昆虫はすごい』『昆虫はもっとすごい』の著者で、好蟻性昆虫の研究者としても知られた丸山宗利先生の、これまでの昆虫採集旅行のまとめといったところでしょうか。

本のタイトルのとおり、″怖い昆虫”も当然登場します。

サスライアリやツムギアリといった咬まれると痛い昆虫たちのことです。

その一方で、旅する場所もペルーやカメルーン・ミャンマーなどと、治安が必ずしも良いとはいえない場所へも旅します。

ただ、昆虫の採集場所が森の奥とは限らないところもあり、そこは意外に感じました。

マレーシアではリゾート地として有名なキャメロンハイランドだったり、カンボジアではアンコールワット遺跡の敷地にわざわざ料金を支払って入場した先で昆虫採集をしています。

案外、自分の近所でも面白い・珍しい昆虫が採集できたりするものですからね。

「怖い昆虫」「怖い採集場所」というだけではなく、昆虫採集にかける情熱が、ときには危険さえも上回る点にも『昆虫こわい』の意味が込められていることがわかります。

いつかは昆虫を探すためだけの旅をしてみたい!!

そんな昆虫好きには夢のような旅行体験談を、ぜひ読んでみてください。

博士を夢見る君へ贈る!『バッタを倒しにアフリカへ』

  • 著者 前野ウルド浩太郎
  • 出版社 光文社
  • 発売日 2017年5月17日
  • 定価 920円(税別)

昆虫好きの人は、総じて温厚な人が多いと私は感じています。

だからなのか、『バッタを倒しにアフリカへ』の全体に漂う空気感も、全く悲壮感がありません。

著者・前野ウルド浩太郎先生は、日本だけではなく世界に知られたサバクトビバッタの研究者です。

サバクトビバッタは、アフリカに生息し、数年に1度大量発生しては農作物を食い尽くします。

アフリカにおける食料不足問題の大きな一因になっているのです。

そこへ日本からたった一人降り立った行動力に、まずは恐れ入ります。

さらに、研究資金に行き詰まり、バッタアレルギーに苦しむだけでなく、そもそもバッタがいないという、次々に襲う想定外の問題にも、前向きな思考とバッタへの熱意で問題を″倒し”ていくのです。

そもそも、「前野″ウルド”浩太郎」って名前自体がふざけてますよね?

でも、この名前こそ、前野先生がサバクトビバッタ研究者の証でもあります。

ちなみに、前野先生は生粋の日本人ですが・・・

知りたい方は、ぜひ本書の中で。

『バッタを倒しにアフリカへ』の中では、日本における研究者たちの苦悩や問題提起もされています。

日本のノーベル賞受賞者が、こぞって述べる日本の研究環境の悪さは、昆虫研究においても同じだと気づかされます。

日本での博士の道は茨の道。

だからこそ、将来の夢が博士という中学生にこそ読んでほしいのです。

『バッタを倒しにアフリカへ』を読んだあとも、自分は博士を目指す熱意が残っている君!

君こそ、必ず研究者の道を進んでください!!

新書大賞2018にも選ばれていますので、読書感想文の課題にも向いてます!

影響は計り知れない見せかけの自然保護への警鐘!『絶滅危惧の地味な虫たち』

  • 著者 小松貴
  • レーベル ちくま新書
  • 出版社 筑摩書房
  • 発売日 2018年3月5日
  • 定価 900円(税別)

私たちは″多様性″とか″自然保護″という言葉を使うことに酔ってはいないでしょうか?

『絶滅危惧の地味な虫たち』を読んで、そんなことを考えさせられました。

この本には8目77種の昆虫とクモなどの多足類が掲載されています。

もちろん、タイトルにあるとおり一般的に知られているタガメやオオムラサキなどの知られた昆虫には見向きもしません。

昆虫好きでさえ聞いたこともないような地味な虫たちばかりです。

そんな名も知らない虫たちを求めて、昆虫学者であり著者でもある小松貴先生は、文字通り体を張って全国を駆け回ります。

ある稀少な蚊を呼び集めるために、その山奥でひとり筋トレをして汗をかき、裸になります。

珍しい糞虫を採るために、自分の排せつ物を置いて回ります。

地中にいる虫ならば何時間も穴を掘る様は、まるで土木作業のようです。

そして、採集した虫たちは学者たちでも注目していない、でも、環境が変われば絶滅してしまうものばかり。

その環境の変化とは、人間の経済活動のためだけではないのです。

ときとして、多様性を尊重し、自然保護のためとして、自然や河川を整備した結果なのです。

そこには、しばらく見られなかった美しく鳴く鳥や綺麗な昆虫など回帰してくる生き物もいるでしょう。

一方で、知られていないがために失われる虫たちがいて、その虫たちも自然のサイクルの一員であることを知らなくてはいけないのです。

そんな虫たちを失ったことを、人間が後悔する日は十年後・百年後になるのかもしれません。

お題目がリベラルでさえあれば、その流れに背くことは悪のようにいわれがちです。

小松先生の体を張った昆虫採集は、そんな“人の身勝手さへの警鐘”だと感じずにはいられません。

閑話休題となっている本書内「虫マニアの功罪」は、虫好きにこそ読んで欲しい内容です!

人間たちよ!真の多様な社会性はアリに問え!『アリ語で寝言を言いました』

  • 著者 村上貴弘
  • 出版社 扶桑社新書
  • 発売日 2020年7月2日
  • 定価 900円(税別)

人間のように組織や家族といった社会性をもった生物世界の研究が進められています。

アリは現在、世界に1万3000種類いることがわかっており、一言で“社会性”といっても様々な形態があります。

『アリ語で寝言を言いました』の中でも、いくつかのアリの社会が紹介されていますが、どれも人間の社会に通じるものを感じます。

多様性って、わかるようでわからない課題に思いませんか?

その答えを『アリ語で寝言を言いました』を読むことで、多様なアリの世界を通して学べるように思います。

もうひとつ『アリ語で寝言を言いました』というタイトルは、単に興味を惹くために付けられたものではありません。

大学における基礎研究の意義にも通じることなので、『アリ語で寝言を言いました』を読んで、その意義を確かめて欲しいと思います。

昆虫研究の拠点として知られる九州大学の准教授でもある著者ですが、本自体は全編通してアリ好き愛で溢れています。

難しい言葉遣いは、ほぼありませんので、昆虫のことや研究職についての知識が無くても気軽に読み進めることができます。

昆虫好きな人はもちろんのこと、読書レポートの選書としても活用して欲しい一冊です。

研究職ときどきG『ゴキブリ・マイウェイ この生物に秘められし謎を追う』

  • 著者 大崎遥花
  • 出版社 山と渓谷社
  • 発売日 2023年12月4日
  • 定価 1,600円(税別)

“G”と書くと、あなたは何を思い浮かべるだろう。

『ゴキブリ・マイウェイ』というタイトルどおり、この本にはゴキブリが出てきます。

ゴキブリの写真がほぼ無いのは、そんなご時世を察してのことかもしれません。

その代わりに、著者が直筆で丁寧に描いたゴキブリの挿絵があちこちに散見していますので、G苦手な方はご注意を。

とはいえ、この本で扱うゴキブリは害虫の方ではありません。

日本に生息するゴキブリの内、屋内でゴソゴソと人様を脅かす種は1%にしか過ぎません。

そのほとんどが、人の目から隠れるように森や林の中でひっそりと暮らしている、なんとも健気な昆虫なのです。

著者の研究テーマは、その森林性ゴキブリの一種・クチキゴキブリだけの習性である「オスとメスが互いの翅を食べ合う」こと。

研究者の日常、論文作成とその重要性、研究を続けるための資金の確保など、読むに連れて研究職がツラくなるようなこともあります。

周りから見ると努力の賜物と思っていても、当の本人はちっともツラいと思っていないことを続ける人。

これが研究職であり、研究職を選ぶ人たちなのだと思います。

著者は、このクチキゴキブリをテーマに九州大学から京都大学、さらに現在はアメリカの大学で研究を続けています。

この変遷を見るだけでも、将来研究職を目指す子供たちに夢を与えてくれますね。

文体も女性ならではの柔らかく、ユーモアのある表現で読みやすく、私も2日で読了しました。

読書本として『ゴキブリ・マイウェイ』を選ぶと、タイトルだけでもみんなの注目を浴びそうです!

表紙のカバーもデザインも、とってもおしゃれです!

まとめに:虫好き子供が本好きになるための昆虫本の選び方

ちっちゃな頃から虫が好き!

そんな我が子の手元には、いつも昆虫図鑑がありました。

昆虫図鑑のおかげで、本を読むことにはあまり抵抗は無いものの、″文を読む”ことは苦手なことに気づきました。

そこで「昆虫」をキーワードに選んだ本たちが、この記事でご紹介した昆虫本です。

″好きなものには心を奪われる″といいますが、自分の好きなものであればちょっと難しめな本でも読みこなそうとするものです。

  • 大人から見るとちょっと難しいかなと思う本を選ぶ
  • けっして、昆虫のことに関しては子供扱いしない

この2点で昆虫本選びをすることで、知識は深まり、周りより深い知識は自分の自信にもつながります。

もちろん、写真がいっぱいの図鑑もたくさん見せてあげてください。

昆虫の魅力は、その鮮やかな色彩にもあるのですから。

だからこそ、ときには大人目線の昆虫本を読むことに効果があるのです。

虫好き子供を、ぜひ本好きにもしてあげてください。

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