歴史ゴシップ好きのくろーるです。
自殺を禁じたキリスト教の教えを守り、家臣に自分を殺させた細川ガラシャ。
裏切り者・明智光秀(あけちみつひで)の娘として、豊臣時代を生き続け、関ヶ原の戦いの前夜の大阪で悲劇の最期を迎えます。
絶世の美女ともいわれた細川ガラシャですが、その美しさについて書かれたものはあまり目にしません。
むしろ、気の強さや賢さについて書かれたものが多いようです。
実際に美人だったのは、細川ガラシャの侍女だったともいわれます。
美しくも薄幸の戦国妻・細川ガラシャの真の姿に迫ってみます!
明智光秀の娘・細川ガラシャとはどんな人物なのか?
そもそも細川ガラシャとは何者か、簡単に書いておきます。
・本名は、明智玉子(あけちたまこ)。
・戦国最大の裏切り者となった明智光秀の三女(二女ともいわれ諸説あり)。
・明智光秀の親友・細川藤孝(ほそかわふじたか)の息子・忠興(ただおき)と政略結婚。
・細川忠興との政略結婚は、織田信長の勧めによるもの。
・本能寺の変のあと、細川忠興とは一時離婚するも、その後復縁。
・洗礼を受けてキリシタンとなり、洗礼名が「ガラシャ(=恩恵を意味する)」
・関ヶ原の戦いのときに人質になることを拒否し、大坂の細川屋敷で自害もしくは家臣に殺害される。
父親の起こした織田信長殺害のために、その後の人生は大きく狂っていきました。
裏切り者の娘として周囲から責められることで精神的にも追い詰められ、キリスト教へ改宗することにつながったとされています。
細川ガラシャは絶世の美女か?裏付け証拠が少ない容姿
戦国武将の妻の中でも、細川ガラシャは美しいというのが一般的に知られています。
ただ、細川ガラシャの美しい容姿を書いたものはあまり目にしません。
状況証拠からは細川ガラシャが絶世の美女、かもしれないとは考えられます。
細川家の家史である『細川家記』には、以下のような話が書かれています。
旦那・細川忠興のエピソード
細川屋敷の屋根を直していた職人が、まちがって屋根から庭へ落ちてしまったことがありました。
職人が落ちた庭は、細川ガラシャの部屋の前。
細川ガラシャの姿を見た職人を旦那・細川忠興は殺してしまいます。
細川忠興が美しい細川ガラシャを独占したいために、その姿を見た職人に嫉妬して殺したと伝わります。
また、キリスト教を日本へ伝えたイエズス会を研究していたラウレス神父の書物には、豊臣秀吉との話があります。
豊臣秀吉のエピソード
朝鮮出兵のときのことです。
豊臣秀吉が日頃の労をねぎらおうと、細川ガラシャを大阪城へ招待したことがありました。
細川ガラシャにとって豊臣秀吉は、父親の仇。
しかし、女好きの豊臣秀吉。
殺されるかもしれないリスクを冒しても、絶世の美女といわれる細川ガラシャを旦那・細川忠興がいない間に自分のものにしようとしたのです。
大阪城へやってきた細川ガラシャは、間違ったフリをして小刀を落したのです。
細川ガラシャの覚悟を恐れた豊臣秀吉は、そのまま細川ガラシャを帰したといいます。
旦那・細川忠興が人目に触れさせず、豊臣秀吉が欲しがった細川ガラシャの美しさ。
このエピソードを考えれば“絶世の美女”といわれてもおかしくありません。
ただ、豊臣秀吉のエピソードには、ちょっと違った話も伝わります。
豊臣秀吉が会った美女は細川ガラシャの侍女だった!?
豊臣秀吉が細川ガラシャを大阪城へ招待したとき、実際には細川ガラシャは行かなかったという話もあります。
これは『細川家記』に書かれているものです。
細川ガラシャの代わりに大阪城へ行ったのは、侍女だったというのです。
このときの侍女は、細川ガラシャが本能寺の変のあと、一時離婚されていた時に従った侍女のようです。
豊臣秀吉はそのことを褒め、
細川ガラシャを支えたことを褒めて、そちには3人の男を贈ろう。その一人には俺がなろう!
なんともセンスのない口説き文句です。
このとき細川ガラシャの代理となった侍女は、細川ガラシャに似ていたといわれます。
豊臣秀吉のナンパ師ぶりはさておき、いずれにしても美人であることは間違いなさそうです。
この侍女には、旦那である細川忠興も興味をもっていたともいわれます。
妻に似た女性であれば、細川忠興のタイプでもあったのでしょう。
ちなみに、細川ガラシャには3人の知られた侍女がいます。
離婚のときに従った「小侍女(こじじょ)」といわれる女性。
洗礼に導いた「清原マリア」。
最期を見たといわれる「しも」という名の女性。
大阪城に細川ガラシャの代理となり、豊臣秀吉に口説かれた女性はハッキリしません。
細川ガラシャも侍女も、戦国の男二人を魅了するほどの美しさをもっていたようですね。
まとめ:細川ガラシャは絶世の美女じゃない?本当に美しいのは侍女!?
天下分け目の戦い・関ヶ原を前に、悲劇的な最期を遂げた細川ガラシャ。
戦国の女性たちには、美しいからこそ訪れる不幸が似合うようです。
細川ガラシャが本当に美しくも不幸なヒロインであったのか?
これについては、別記事を書きたいと思います。