予言書だった宮沢賢治の童話!5作品に描かれた未来の世界とは?

宮沢賢治のイラスト 文豪たちのわやなストーリー

岩手県出身で日本を代表する童話作家である宮沢賢治(みやざわけんじ)。

子供から大人まで愛される多くの作品には、自然を愛する宮沢賢治の優しさが詰まっています。

歴史大好き、くろーるです。

宮沢賢治は37歳という若さでこの世を去りました。

生前には評価されることのなかった宮沢賢治の作品は、子供でも楽しめる内容である一方で、難解な部分があるともいわれます。

そこには、宮沢賢治が予見した未来が描かれているからだというのです。

宮沢賢治
宮沢賢治

作品はつくるものではなく降りてくるものだ。

宮沢賢治の作品は、単なるアイデアだけではなく、未来からの啓示によって書かれたのかもしれないのです。

予言書として宮沢賢治の名作を読み直してみるのも、新たな楽しみ方ではないでしょうか?

自然を愛した童話作家・宮沢賢治とは

大正から昭和初期の童話作家として知られる宮沢賢治。

独特なオノマトペ(擬音語)を織り交ぜた表現は、読むものをファンタジーの世界に引き込みます。

岩手県出身の宮沢賢治の作品には、岩手の自然や農村風景も描写されているものも多くあります。

そして、宮沢賢治が理想とした世界・イーハートーブはよく知られています。

宮沢賢治の童話や作品は、生前に発表されてものは少なく、その高い評価は死後に見つかった作品によるところが大きいのです。

宮沢賢治の作品には、不思議な表現や首をかしげたくなる部分があるのも特徴なのですが、それが予言書といわれる所以です。

童話という形で宮沢賢治が残した予言とは、いったいどうようなものだったのでしょう。

民間人の宇宙旅行を予言した「銀河鉄道の夜」

宮沢賢治の作品といえば誰もが真っ先に思い出すというほど「銀河鉄道の夜」は有名ではないでしょうか。

アニメ「銀河鉄道999」も、この宮沢賢治の作品から発想を得たといわれます。

列車で宇宙を旅するというアイデアは、自由な旅行すらできなかった当時には想像をはるかに超えたことだったに違いありません。

主人公のジョバンニとカムパネルラという友人どうしの楽しい宇宙旅行。

そして、宇宙旅行のラストに訪れる寂しさが「銀河鉄道の夜」を忘れられないものとしています。

長い間、人類が憧れ続けた宇宙旅行。

1969年のアポロ11号の月面着陸の時点でさえ、宇宙旅行など遠くの世界でした。

それでも諦められなかった人類は、何度もの失敗を繰り返しながらも宇宙への旅に挑戦し続けてきました。

そして、現代、宇宙旅行は夢の世界では無くなりつつあります。

宮沢賢治の予言した列車での宇宙旅行には、もう少し時間がかかりそうですが、普通の人が宇宙へ行ける日はそう遠くはありません。

飽食の時代と食品偽装を予言した「注文の多い料理店」

山奥に猟にやってきた二人の紳士が見つけた西洋料理店。

お腹を満たそうと入ったものの、料理にありつくまでにはあれこれとやることがあって・・・

「注文の多い料理店」に込められた強欲な人間への皮肉のようにも受け取れる作品ですが、どこか違和感も感じます。

宮沢賢治の生きた時代は、都会と地方の格差が広がり、特に農村は貧しい生活を強いられていました。

満足な食事ができるような時代ではありません。

「注文の多い料理店」は短編作品ながら、グルメの時代の到来を予期していると思いませんか?

そして、グルメであることにとらわれ、本食品の本当の質を見抜くことのできない時代が来ることも予期されています。

食品偽造や産地偽造のことです。

今は全国どころか全世界のおいしいものが手軽食べられる時代になりました。

でも、その食材が本当にその場所から届いたものかはわかりません。

食通ぶっていても、真の姿を知らないこともあるかもしれないのです。

気付いたときには、自分の体が手遅れにならないようにしたいものですね。

「注文の多い料理店」の若い紳士のように。

「見たまえ、東京の大きな料理店だって大通りにはすくないだろう。」

「注文の多い料理店」より引用

地球温暖化の未来と原因を予言した「グスコーブドリの伝記」

「グスコーブドリの伝記」とあるように主人公ブドリの生涯の物語を描いた童話です。

平和な一家が冷害や火山噴火による気候変動によって離散していきます。

一家が離れ離れになっていく過程に、口減らしや人身売買といった貧しい農村で行われた悲しい風習が透けて見える部分もありますので、けっして楽しい童話とはいえません。

ただ、冷害によって凶作の続く地球を救う方法として登場するのが、二酸化炭素の放出です。

火山を噴火させることで放出される二酸化炭素によって地球を覆い、気温を上昇させることで作物の生育を復活させる計画を思いつきます。

これはまさに地球温暖化の原因といわれていることと同じです。

宮沢賢治の予言したように地球は二酸化炭素によって少しづつ気温が上昇しています。

もし、「グスコーブドリの伝記」が予言の書であったならば、地球温暖化はこの童話と同じようにハッピーエンドになることはできるのでしょうか。

宮沢賢治の予言は、今もなお進行中なのかもしれませんね。

「先生、気層のなかに炭酸ガスがふえて来れば暖かくなるのですか。」

「それはなるだろう。地球ができてからいままでの気温は、たいてい空気中の炭酸ガスの量できまっていたと言われるくらいだからね。」

「グスコーブドリの伝記」より引用

音楽が医療として広まる未来を予言した「セロ弾きのゴーシュ」

ゴーシュが弾く楽器はセロ。

でも、なかなかうまく弾けずにイラ立っていました。

ところが、ゴーシュがうまく弾けていないというセロを聞かせてくれと、毎夜、かわるがわる動物たちがやってきます。

六日目の晩にやってきた野ネズミは、ゴーシュのセロを聞いて病気が治るという奇跡が起こります。

音楽を聴くことで、脳が活性化したり精神を安定させる効果があることが一般的に認知されるようになりました。介護施設やリハビリ病院でも音楽療法として利用されています。

音楽療法士という民間資格もつくられ、音楽による医学効果が認められるようになったのです。

「セロ弾きのゴーシュ」で動物たちが語ったことは、音楽療法が世間に広まることを予見しています。

そして、音楽なら何でも効果があるというものでもないことも書かれています。

猫に「印度の虎狩り」という音楽を聞かせると、猫を苦しめるシーンが出てきます。

相手の病状に合った音楽は効果があり、その逆は、むしろ病状を悪化させるということも知っているのです。

「セロ弾きのゴーシュ」で予言した音楽療法は、現代ではますます発展していますよね。

あそうか。おれのセロの音がごうごうひびくと、それがあんまの代わりになっておまえたちの病気がなおるというのか。よし。わかったよ。やってやろう。」

「セロ弾きのゴーシュ」より引用

ある共産主義国の台頭を予言した「オツベルと象」

オツベルという地主にだまされて、こき使われる白い象。

こき使われている知らない象は、いつも間にかやせ細ってしまいます。

悪いことをすれば報いを受ける、そんなわかりやすい教訓をもった童話に見えます。

でも、「オツベルと象」の中にはちょっと不自然なものが出てくるところがあります。

そのひとつが「赤」いものです。

赤い帽子や赤い足かせ、そして「赤い龍の目」という何かを暗示するような表現に見えます。

この「赤」が示すものが共産国家・中国だとしたら、どこかしっくりくるところがないでしょうか。

「オツベルと象」の中では、常に“赤”が関係する部分は地主・オツベルに関わることです。

唯一違うのは、白い象を助けるために手紙を運ぶ″赤い童子“がいます。

この″赤い童子”は、中国と元を同じにしながら独立地域となっている台湾ではないかと思われるのです。

白い象は、ハクトウワシをシンボルにするアメリカや白字国旗の日本・韓国や象は中国と国境を接するインドtと考えてはどうでしょうか。

オツベル=中国のチャイナマネーによって、知らず知らずに中国の意のままになってきた近年を予言されているように思えます。

また、オツベルのところには16人の農民が使われています。

中国との一帯一路に参加している東欧諸国は16か国。

EU加盟国も含まれており、立場は微妙ともいえます。

オツベルにこき使われるのはイヤだが、仕事を失えば生活ができない農民たちと同じ立場にも見えます。

「オツベルと象」が中国が台頭する未来であるとすれば、最後はあまりいい結末とはいえませんね。

「そら、これでしょう。」すぐ眼の前で、可愛い子どもの声がした。象が頭を上げて見ると、赤い着物の童子が立って、硯と紙を捧げていた。

「オツベルと象」より引用

予言書だった宮沢賢治の童話!5作品に描かれた未来の世界とは? まとめ

宮沢賢治の作品には、どこか不思議な世界観が表現されているのは、一度読んだだけでもわかります。

それが宮沢賢治ワールドの魅力といわれれば、それまでです。

でも、未来の世界を予言した上で、童話の中に表現したと考えると、新しい宮沢賢治に出会えるのではないでしょうか。

子供向きというよりは、むしろ大人にこそ読んで欲しい童話かもしれませんね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました