数学が苦手な、くろーるです。
もっといえば、数が苦手。
8+7=?なんて言われたら、頭が一瞬フリーズします。
そんな文系脳の私でも、やっぱり数学を楽しみたい!
面白い学問だとわかれば、数学がちょっとは好きになるハズ!
嫌いでもいいから、楽しく算数や数学を学べるようになるための本をご紹介します。
数学苦手な私が、読みたくない数式を飛ばしても面白く読めた本だけを選びました!
数学克服の1歩を踏み出しましょう!!
童話であってもしっかり算数・数学を学べる『数の悪魔~算数・数学が楽しくなる12夜~』
- 著者 H.Mエンツェンスベルガー
- 訳者 丘沢 静也
- 出版社 晶文社
- 発売日 2000年9月1日
- 定価 1,980円
『数の悪魔』という本のタイトル。
苦手なものの上に、怪しげな雰囲気を醸し出すところに、すでに興味をそそられます。
童話形式で書かれているため、本屋さんによっては児童書に振り分けられている本書ですが、内容はしっかりと数学をしています。
『数の悪魔』は、こんなお話しです。
夢の中で数の世界を一夜過ごすたびに、数の仕組みを知っていくようになります。
ゼロの概念や数字の基本などを、童話を読むように学んでいくので、子供たちには入りやすいと思います。
例えば、数字を累乗することを“ホップする”といったり、ルート(√:根号)計算のことを″大根を抜く”というなど、ちょっと使ってみたくなるワードもあり、子供と一緒に読むことが意識されていますね。
一方で、パスカルの定理やフィボナッチ数といった数学の基礎もしっかり盛り込まれているので、大人が少し解説してあげた方が理解しやすいと思います。
児童書といっても、小中学生の算数・数学の学び直しのきっかけにして欲しい本です。
子供向けと思って侮ってはいけないよ!
数学好きに育てながら中学受験に備える『本当はすごい小学算数』
- 著者 小田敏弘
- 出版社 日本実業出版社
- 発売日 2015年11月19日
- 定価 1,650円
中学受験を考えている人には一度は読んで欲しい本、それが『本当はすごい小学算数』です。
この本では、中学に入ってから習う数学の基礎である算数の考え方を、実際に中学入試で出題された問題を元に解説されています。
ひとつの単元が、「入試問題」「ヒント」「問題解説と解答」「算数の概念」という構成になっています。
ただ、まず最初は『本当はすごい小学算数』を本として読み流してください。
算数を苦手としている人ほど、読み流すことで算数の考え方が身につきますよ。
この本の中でも書かれているとおり、算数を解くセンスやコツを磨くことが、算数を好きになるために必要だと気づくはずです。
算数を解くセンスやコツを磨くためには、多くの問題を解くことに限ります。
算数を勉強する目的がはっきりすることで、算数への取り組む意識を変えることができる本です。
もちろん、それぞれの中学入試の算数の問題を解くこともできますので、理解が進めば、あらためて過去問対策として読み直すこともできます。
算数を解くセンスやコツを磨くことは、算数だけではなく数学でも同じように生かされます。
中学生で数学を苦手にしている人にも、読んで欲しい一冊ですよ!
読めば読むほど数学の魅力に惹かれる『面白くて眠れなくなる数学』
- 著者 桜井進
- 出版社 PHP研究所
- 発売日 2010年7月17日
- 定価 1,430円
数学の雑学本として、これほど読みやすく、わかりやすい本は無いかもしれません。
理科系の雑学本としてPHP社の『面白くて眠れなくなるシリーズ』の評価は高く、私のイチ推しでもありました。
だからこそ、数学本もお試ししてみたいと読み始めたのですが、よくまとまった良書です。
見た目には複雑で難しそうな数学の世界を、様々な問題やパズルを通して、その面白さを紹介しています。
同じ数字を繰り返し足し算していく不思議な数列「カプレカ数」や、その美しさに驚かされるフレクタルという図形などを解説するだけでなく、“世界で使われる暗号の仕組み”といった実践的な知識も紹介されているのです。
これらの知識を身につけることで、数学が身近な存在になり、楽しく学ぶことができるでしょう。
ひとつのテーマが3~4ページ程度にまとめられているところも、どこから読んでも、どこで止めてもいいようになっていて嬉しいですね。
『面白くて眠れなくなる数学』は、さらにシリーズ化しており、『超~』『超・超~』『~プレミアム』『~ファイナル』『~BEST』と出版されています。
どれも面白いですが、お好みの一冊を見つけるのも楽しいですよ。
朝読書や読書感想文にも適していますよ!
失敗から学ぶ数学ほど愉快なものはない『屈辱の数学史』
- 著者 マット・パーカー
- 訳者 夏目 大
- 出版社 山と渓谷社
- 発売日 2022年3月16日
- 定価 3,190円
この本『屈辱の数学史』は、文系人間にとっては、かなり愉快な本ではないでしょうか?
なんといっても、数学の失敗の歴史が書かれているのですから。
普段、数学の問題に苦しめられているものからしたら、一泡吹かせた気分を味わうことができます。
数字・数学というものは完璧で、どこか神聖化されたものと思っている節が文系人間にはあります。
しかし、完璧であるがゆえに、ひとつのミスが大きな間違いへとつながることがあるのです。
その大失敗を、実際に起きた事件や事故を実例として綴られています。
この本に掲載されている、ひとつの例をご紹介しますね!
ハンバーガーチェーンM社では、8種類から自由に組み合わせることのできる新商品を発表しました。
その組み合わせは、実に4万通り!
ユーザーのワクワク感を刺激した、とってもユニークな商品でした。
ところが、この内容が誇大広告だと指摘されました。
というのも、実際の組み合わせは、はるかに少ないことがわかったのです。
それはなぜか?
M社の想定した組み合わせでは、ハンバーガー→ドリンク→ポテト・・・という選択が一種類。
ドリンク→ポテト→ハンバーガー・・・という選択も一種類とカウントしていたのです。
注文して出てくる商品は同じですから、これはどちらもひとつの商品になると指摘されたのです。
これは算数でも習う「組み合わせと順列」の問題で、重複を除く必要のある基礎的な知識。
なんともお粗末な顛末です。
同じような数学の失敗が、工学・生物学・経済学などあらゆる分野に及んでいます。
まるで完璧な人間のお茶目な失敗にも見えます。
『屈辱の数学史』は、数学を身近なものに感じるとともに魅力的な学問であるとも感じさせてくれますね。
数学の失敗を知る快感に、480ページという厚さを感じさせませんよ!
他人の不幸は密の味!数学の失敗も蜜の味!
実際に使える数学なら理解が進む『面白くて仕事に役立つ数学』
- 著者 柳谷 晃
- 出版社 SBクリエイティブ
- 発売日 2017年8月26日
- 定価 1,540円
数学って、どんな役に立ってるの?
社会活動で必要な知識を得るために、小学・中学・高校と勉強しますよね。
だったら、数学が実際にどんなときに役立っているのかを取り上げたのが『面白くて仕事に役立つ数学』です。
数学の本というより、社会の仕組みを学つもりで読めるところに、この本の良さがあります。
“会社の財務状況を読む”“投資のための金融知識の基礎知識を学ぶ”といったことは、ちょっと難しく感じるかもしれません。
しかし、社会人にも必要な知識であるだけでなく、今は投資の授業があるくらいですから学生にも読んで役立つ一冊です。
他にも「男女の相性を数値化するために指数関数を使う」とか「値頃感のある価格を相乗平均や調和平均を使って導き出す」といった、高校数学で習う単元を実際に利用しています。
こんな使い方なら、数学の授業も楽しく勉強できそう!
ただ、『面白くて仕事に役立つ数学』では、“表面的な数字にとらわれず、数学をうまく活用して本質を見極める重要性”を説いています。
軽妙な語り口調で読みやすく解説もわかりやすいので、1~2日でスラスラ読めてしまいますよ。
お笑い好きなら読んで損なし『時そばの客は理系だった~落語で学ぶ数学~』
- 著者 柳谷 晃
- 出版社 幻冬舎
- レーベル 幻冬舎新書
- 発売日 2007年5月30日
- 定価 814円
落語と数学。
ひと目には結びつかないどころか、全く真逆のカテゴリーに感じます。
しかし、意外にも落語の中には、数学で解説のできる演目があるのです。
この本の中で取り上げた演目だけでも、学校でも習う「寿限無」に始まり、「千早振る」やタイトルにある「時そば」「死神」などがあります。
話は聞いたことはなくとも、演目名くらいは知っているものもありませんか?
私自身、学生時代には落語研究会に所属していたので、本のタイトルにもある「時そば」は、
数学的だな・・・
と昔から思っていました。
単位の違うものの測り方を利用したトリックこそが「時そば」のおかしさだったのです。
他にも、同じように“数学的だな”と思っていた「壺算」も取り上げられています。
笑いながらも、頭の中片隅で数字のトリックを解き明かそうと考えている自分におかしくなります。
ご紹介した演目は私の好みですが、他にも数字に絡む落語の演目はまだまだたくさんあります。
この本をきっかけに、数学だけではなく落語を見て、自分好みの“数学的落語”を見つけてください。
笑っているうちに、数学好きになっているかもしれませんよ。
お笑い好きなら、この本で数学好きになれるかも!?
数学は苦手だけど理科は好きな人のための数学本『日常にひそむうつくしい数学』
- 著者 冨島佑允
- 出版社 朝日新聞出版
- 発売日 2019年7月19日
- 定価 1,650円
数学が好きなワケとして、数式の美しさを挙げる人がいます。
左右が等しくなる式や延々と繰り返す数字の列などがあります。
一見不規則な動きをしていそうな自然の中にも、数学的な規則性があることを、この『日常にひそむうつくしい数学』には書かれているのです。
同じ形が繰り返して構成されている「フレクタル図形」になっているシダの葉。
一定の条件があれば、リーダーがいなくても統一した動きをする「ボイドモデル」に従った鳥の群れ。
数学とセミの話は知ってる?
アメリカで13年もしくは17年の周期で大発生するセミがいます。
なぜ、13年もしくは17年で羽化するのでしょうか?
その秘密は“子孫をのこすため”。
13もしくは17は、どの数字でも割り切ることのできない無理数、“素数”なのです。
他の数字の周期であれば、何年かに一度は他のセミと同じ周期で羽化してしまい、力関係によっては駆逐されたり、交雑によって違うセミになってしまう可能性があります。
自分の種を後世に残すために、無理数の周期で羽化する進化を遂げたのです。
『日常にひそむうつくしい数学』は、必ずしも数学的な自然や生き物の見方ばかりを取り上げてるわけではありません。
でも、生き物や自然、そして理科が好き!という中学生には興味深い“自然の中の数学の話”が多く書かれています。
数学はけっして机に向かって学ぶだけのものではないと感じますよ。
野山に出かけて自然の数学を見つけよう!
まとめに:まずは考えずにやってみる瞬発力を養う、それが数学
数学の本を読んでいて思うことは、数学というのはミスをする学問だということ。
問題全体がどのように解けるかを考えてから取り組むものではないということ。
解けるとこまで解いて、わからないところはその都度修正・学習する。
それを繰り返すことで、正答する率を上げていく過程が必要なのです。
だから、まずはやってみることが重要であることがわかります。
問題の前で腕を組んで悩んでいても、何も変わらないのです。
数学を学ぶというのは、友達づくりと似ています。
数学と仲良くなるためには、まず話しかけて、数学という相手のことを少しずつ知っていきましょう。
そうしているうちに、数学と良い友達になれるのです。
苦手な友達も、話してみると意外にいいやつってことね!